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思い出の灰焼きおやきが食べたい！
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まだ若かりし頃、友人達と安曇野にキャンプにでかけました。
長野市より国道19号線を安曇野に向けて、いざ出発。
途中立ち寄ったお休み処（おやき屋だったのか？）。
元気のいいおばちゃんが、囲炉裏の中からゴロゴロと（そんな感じ）、灰で黒くなったソフトボールみたいな形のおやきを出してくれました。
初めて見る光景に一同、唖然。
正直「これを食べるの？」という感じでした。
気を取り直して、じゃあ、まずはおやきの周りの灰をきれいに落としてから、と丁寧にポンポンと払っていると、背後からおばちゃんの叫び声が。
「灰は払っちゃだめだよ！そこに栄養があるんだから！」
「えっ？」
「あっ、はい…」と応えながらも、
「ほんとー？」と疑いの眼差し。
口の周りを真っ黒にしながらかぶりつきました。具は茄子。
これが美味しく完食。
しかし、楽しかったキャンプのおかげで、このおやきの事はすかり忘れてしまっていました。
時は過ぎ、自分の中におやきブームが起こり、各地のおやきを食べ歩くようになり、
ふと甦って来たあの灰焼きおやきの記憶。
そういえば… おばちゃん元気かなあ？
あのお店にもう一度行きたいなあ。
でもどの辺だっけ。
確か八坂村のさざなみで食べたおやきは灰焼きだったなあ。
ということは、八坂村か生坂村？
とりあえず行って見よう！
と言う訳であの時の様に19号線を松本方面に向かって出発。
「あっ、さざなみ！」
ちょっと寄り道。灰焼きおやき購入。形は似ているが、あの時のはこんなにきれいじゃなかった。
今日の具は茄子。季節によって変わります。
ちなみに前回来た時は卯之花でした。どちらも美味しい。
焼き立てが最高です。
更に南へ。前方に気になる看板発見！
「おやき」？
どう見ても普通のお家ですが、お店はどこ？
気になるが先を急ぐ。（特に急ぐ旅ではないのですが、取り敢えず）
あっ！
ここ！ここ！！
確か新しいトンネルの手前を右に曲がったんだ。
まちがいない。
そうそう川沿いにあったんだよ！
やったー すごいぞ私の記憶…。
あれ…？
探すこと小一時間。
思い出に付き合ってくれた家族の顔に疲労の色が見え始め、焦る私・・・。
結局最初に右折したトンネルの前に出てしまった。
「もう一回・・・」
という私の言葉に、黙り込んでしまっていた夫が突然怒りだすわ、すっかり飽きてしまった娘は泣き出すわ・・・。
車内に嫌な空気が流れ出す・・・。
お店無くなっちゃったのかなー？
それとも完全な勘違い？
何せ20年近く前の記憶なもんで。
仕方なく、明日香荘まで足を伸ばし、灰焼きおやきを買って帰る事にしました。
ここで作られたおやきが「さざなみ」でも販売されているのだそうです。
わかっていましたがまた買っちゃいました。同じおやき。
ちょっと疲れた帰り道。
あれ「灰焼おやき」のお店。
通り過ぎると先程の謎？のおやきの看板。
来る時は気付かなかったけれど、反対側がお店だったんだ。
慌てて車を止めお邪魔してみました。
 
おやきの種類は、なす、野沢菜、玉ねぎ、カボチャ、あんこ。
お店のまん中にある囲炉裏で焼いているそうです。
素朴で美味しいおやきでした。
「形が悪いから」と言って値引きをしてくれた、明るく気さくな奥さんに思い出話しを聞いてもらい、後ろ髪を引かれながら帰途につきました。
「おばちゃ〜ん、どこへ行っちゃったの〜！？」
忘れた私が悪いのだけれど・・・。
また探してみよっかな〜。（‐‐）
（「今度は一人で行ってくれ」と言う夫の声が聞こえて来る・・・。）
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